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抗菌点眼薬|結膜炎・ものもらい・術後感染予防に使う目薬を眼科専門医が解説

監修: 眼科ひろば編集部(眼科専門医監修)
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「目やにが多くて眼科で抗菌目薬をもらった」「白内障の手術前後に抗菌目薬を渡された」――抗菌点眼薬は、眼科で最も多く処方される薬の一つです。

このページでは、患者さんからよくいただくご質問にお答えする形で、抗菌点眼薬の種類・適応・使い方を整理してご説明します。

関連疾患の解説は 結膜炎の解説ページ をご覧ください。

抗菌点眼薬とは

抗菌点眼薬は、細菌の増殖を抑える・殺す ことで眼の感染症を治療する点眼薬です。種類によって殺菌力・適応する細菌が違うため、症状や原因に合わせて使い分けます。

主な適応:

疾患・状況治療目的
細菌性結膜炎原因菌の除去
ものもらい(麦粒腫)細菌感染の治療
角膜潰瘍・角膜感染症抗菌、視力を守る
眼科手術前後感染予防
眼瞼炎(まぶたの炎症)細菌コントロール
涙嚢炎抗菌+涙道の評価

目やにが黄色〜緑色でドロッとしている」「充血+違和感+ベタつき」が代表的な細菌感染のサインで、抗菌点眼の対象になります。

各グループの特徴

1. ニューキノロン系(第一選択の主流)

幅広い細菌に効く、近年の標準的な抗菌点眼薬です。

代表的な薬剤:

商品名一般名用法備考
クラビットレボフロキサシン 0.5%/1.5%1日3回(1.5%は1日2〜3回)第一選択、ジェネリック多数
オゼックストスフロキサシン1日3〜4回ニューキノロン
タリビッドオフロキサシン1日3〜4回古典的なキノロン
ベガモックスモキシフロキサシン1日3回やや新しい世代
ガチフロガチフロキサシン1日3回

クラビット」は最も多く処方される定番です。ジェネリックも豊富で、費用面でも選びやすい薬。

2. セフェム系・マクロライド系

キノロン系で効果不十分または不向きな場合に使う、他系統の抗菌薬です。

代表的な薬剤:

商品名一般名用法備考
ベストロンセフメノキシム1日3〜4回セフェム系、点眼液は調製後使用
エコリシンエリスロマイシン1日4〜5回マクロライド系

ベストロンは調製後に冷蔵保存(7日以内使用)など、使用方法に注意があります。

3. 抗菌・ステロイド配合点眼薬

細菌感染と炎症が同時にある場合に使う配合剤です。

代表的な薬剤:

商品名成分用法備考
リンデロンAベタメタゾン + フラジオマイシン1日3〜4回重症例に短期使用
オフサロンステロイド + 抗菌1日3〜4回

ステロイドが含まれるため、長期使用は避け、医師の指示通り に。眼圧上昇のリスクがあります。

4. 眼軟膏(寝る前に使用)

商品名一般名用法備考
タリビッド眼軟膏オフロキサシン1日3〜5回または就寝前効果持続が長い、就寝中に有効
エコリシン眼軟膏エリスロマイシン1日3〜5回

ものもらい、眼瞼炎、まぶたの感染症で 夜間の感染予防 に使われます。点眼薬と併用することも。

どう使い分ける?(症状別の処方例)

状況推奨される処方
軽度の細菌性結膜炎クラビット 1日3回 × 5〜7日
ものもらい(麦粒腫)クラビット + タリビッド眼軟膏(就寝前)
重症結膜炎・炎症が強いクラビット + リンデロンA短期
角膜潰瘍ベガモックスやガチフロを高頻度(1〜2時間ごと)+ 入院・専門治療
白内障手術前クラビット 3〜7日前から1日3回
白内障手術後クラビット + 抗炎症点眼を1〜3か月

ものもらいで点眼+眼軟膏が処方された」というケースが、最も多いパターンです。

適応:こんな方に向く

抗菌点眼が効きにくい状況

目やにがある=抗菌点眼」とは限らないので、自己判断ではなく眼科で原因を確認しましょう。

副作用・注意点

点眼の正しい使い方

  1. 手を洗う
  2. 顔を上向きに、または横向きに
  3. 下まぶたを引き下げて、1滴を眼に(容器が眼に触れないように)
  4. 目を閉じて1〜2分
  5. 複数の点眼を使う場合は5分以上間隔を空ける
  6. 眼軟膏は、清潔な指でまぶたの内側に少量を塗布(就寝前推奨)
  7. コンタクトは治療中は外す

特に細菌感染では、容器が眼や手に触れると容器内が汚染 されるため注意。家族との タオル・洗面用具の共用は避けて ください。

治療期間の目安

症状が消えたから自分でやめる」は、再発や耐性菌のリスクを上げます。処方された期間は守る のが基本です。

費用の目安

保険適用 です。3割負担の方の場合:

クラビットなどは多くのジェネリックが出ており、薬剤師に相談すれば安価な選択も可能です。

メリットとデメリット

メリット短期間で効果 / 保険適用で安価 / 種類豊富 / 副作用少なめ
デメリットウイルス性・アレルギー性には効かない / 長期使用で耐性菌の懸念 / コンタクト中止が必要

よくある質問

Q. 結膜炎で抗菌点眼をもらいました。何日で治りますか?

A. 細菌性結膜炎なら3〜5日で症状が改善 することが多いです。完全に治るまで5〜7日かかります。ウイルス性結膜炎の場合は抗菌薬で治らず、自然に治癒(2〜3週間)するのを待つことになります。

Q. ものもらいで眼軟膏を処方されました。塗り方は?

A. 就寝前、清潔な指(または綿棒)に少量の眼軟膏を取り、まぶたの内側に薄く塗ります。寝ている間に効果が持続します。コンタクトレンズは使用中止に。

Q. 抗菌点眼が余りました。次回も使えますか?

A. 使わないでください。眼科薬は 開封後の使用期限が1か月程度 に限られます。古い目薬は雑菌が繁殖していて、逆に感染源になることもあります。次に必要な時は、必ず受診して新しい処方を受けてください。

Q. 子どもにも使えますか?

A. クラビットなど多くの抗菌点眼は小児にも使えます。ただし、新生児への投与には注意が必要 な薬剤もあるので、必ず医師に年齢を伝えてください。

Q. コンタクトはいつから再開できる?

A. 症状が完全に治まり、医師から許可が出てから。通常、抗菌治療終了後 数日〜1週間 の様子見が必要です。早く再開すると、再発や角膜障害のリスクが上がります。

Q. 市販の抗菌目薬って効きますか?

A. 市販品は処方薬より弱い ものが多く、本格的な細菌感染には不十分です。「目薬で様子を見たけど治らない」場合は、市販薬を続けるより早めに眼科を受診する方が結果的に早く治ります。

Q. ステロイド配合の抗菌目薬(リンデロンA)を勝手に使い続けて大丈夫?

A. 危険です。長期使用で 眼圧上昇(ステロイド緑内障)・白内障進行・感染症の悪化 のリスクがあります。必ず医師の指示通りの期間で使用してください。


抗菌点眼薬は、正しく短期間使えば、ほとんどの細菌感染は速やかに治る お薬です。長く使い続けるものではなく、症状に応じて適切な期間使うことが大切です。

「目やにが多い・目が赤い・腫れている」と感じたら、自己判断で市販薬を続けるより、眼科で正しい診断と適切な抗菌薬の処方 を受けるのが、結果的に早く・安く・確実な解決につながります。

結膜炎全般については 結膜炎の解説ページ もあわせてご覧ください。