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ドライアイ点眼薬|種類・選び方・使い分けを眼科専門医が解説

監修: 眼科ひろば編集部(眼科専門医監修)
公開: 更新: 最終監修:

「目薬の種類が多すぎてどれが自分に合うか分からない」「ヒアレインとジクアス、何が違うの?」――ドライアイの点眼薬は、近年で大きく進化してきました。涙の量を補うだけでなく、涙の質を改善する薬が登場し、選択肢が増えています。

このページでは、患者さんからよくいただくご質問にお答えする形で、ドライアイ点眼薬の種類・特徴・使い分けを整理してご説明します。

ドライアイそのものの解説は ドライアイの解説ページ をご覧ください。

ドライアイ点眼薬とは

ドライアイは、涙の に問題が起きて、目の表面の保護膜が乱れる病気です。一口に「目薬」と言っても、薬によって働きが大きく異なります。

種類主な働き
涙液補充薬(ヒアルロン酸など)涙の量・水分の保持
涙液分泌促進薬(ジクアス)水分・ムチンの分泌を促す
ムチン分泌促進薬(ムコスタ)ムチンの分泌を促す
人工涙液涙の代わりに涙液を補充
自己血清点眼重症ドライアイ用

ドライアイは タイプによって最適な薬が異なる ため、自分の状態に合った薬を選ぶことが大切です。眼科で「涙液分泌減少型なのか、蒸発亢進型なのか」「ムチンも不足しているか」を見極めてもらいましょう。

各グループの特徴

1. 涙液補充薬(ヒアルロン酸ナトリウム)

ドライアイの最も基本となる薬です。ヒアルロン酸が水分を保持して、目の表面に長く残りやすくします。

代表的な薬剤:

商品名一般名用法備考
ヒアレイン(ジェネリック多数)ヒアルロン酸ナトリウム1日5〜6回最も使われる定番。0.1% / 0.3% の濃度違いあり
ヒアレインミニ / ヒアレインSヒアルロン酸ナトリウム1日5〜6回防腐剤フリー、開封後使い切り
ティアバランスヒアルロン酸ナトリウム1日5〜6回ジェネリックの代表

頻回に差す必要がある方」や「コンタクトの上から使いたい方」には、防腐剤フリーのミニタイプが向きます。

2. 涙液分泌促進薬

涙の分泌そのものを増やす、比較的新しいタイプの薬。涙液量と質の両方を改善できます。

代表的な薬剤:

商品名一般名用法備考
ジクアスジクアホソルナトリウム1日6回水分・ムチンの両方を増やす
ジクアスLXジクアホソルナトリウム(長時間型)1日3回効果持続が長い改良版、続けやすい

ジクアスLX の登場で、毎日6回の負担から3回に減らせるようになり、続けやすさが大きく向上しました。

3. ムチン分泌促進薬

涙液層の最も内側にある ムチン(粘性のあるタンパク質) を増やすことで、涙の安定性を高めます。

代表的な薬剤:

商品名一般名用法備考
ムコスタ点眼UDレバミピド1日4回白く濁る性質。視界が一時的にぼやけることあり

白くなる目薬」と呼ばれることもありますが、これはレバミピドの性質で、効いている証拠です。点眼直後の数十秒〜数分は視界がかすむことがあるので、運転前は避けるのが安全です。

4. 人工涙液

涙の組成に近い水溶液で、最もシンプルな目薬。防腐剤の有無が大きな選択ポイントです。

代表的な薬剤:

商品名区分用法備考
マイティア一般用医薬品(市販)1日5〜6回薬局で買える定番
ソフトサンティア一般用医薬品(市販)必要時防腐剤フリー、コンタクト装用時可
オキュレシン処方薬1日4〜6回
防腐剤フリー人工涙液(各種)処方薬1日4〜6回長期使用に安全

頻回に点眼する方、コンタクト使用の方には防腐剤フリータイプが推奨されます。

5. 免疫抑制薬・自己血清点眼(重症例)

通常の点眼で効果が不十分な重症ドライアイ、シェーグレン症候群などには、専門的な治療として:

種類内容
シクロスポリン点眼重症ドライアイに使用、海外で広く使用、日本でも適応拡大の動き
自己血清点眼自分の血液から作る点眼薬、角膜上皮障害の重症例

これらは大学病院や専門施設で扱われることが多く、一般的なドライアイには使用しません。

どう使い分ける?(タイプ別の処方例)

ドライアイの原因によって、おすすめの組み合わせが変わります。

タイプ推奨される基本処方
軽度〜中等度の汎用ドライアイヒアレイン + 防腐剤フリー人工涙液(必要時)
涙液量も質も不十分ジクアス(LX) + ヒアレイン
ムチン不足が主因(BUT 短縮型)ムコスタ点眼 + ヒアレイン
PC作業中心のドライアイヒアレイン頻回 + ジクアスLX 1日3回
重症(シェーグレン症候群等)上記 + 涙点プラグ、自己血清点眼

何種類も差すのが面倒」という方は、組み合わせを担当医と相談して、効果と続けやすさのバランスを取りましょう。

適応:こんな方に向く

副作用・注意点

ドライアイ点眼薬は 比較的副作用の少ない お薬ですが、以下の点には注意。

市販目薬を毎日大量に使っている」方は、防腐剤や血管収縮剤による角膜障害のリスクがあるため、眼科で適切な処方薬に切り替えるのが安全です。

点眼の正しい使い方

  1. 手を洗う
  2. 顔を上向きに、または横向きに寝る
  3. 下まぶたを引き下げて、1滴を眼に落とす(容器が眼に触れないように)
  4. 目を閉じて1〜2分、目頭(涙点)を軽く押さえる
  5. 複数の点眼を使う場合は5分以上間隔を空ける

ムコスタ点眼を含む場合は 白く濁る性質 を踏まえて、就寝前など視界がぼやけても困らないタイミングで使うのもおすすめです。

費用の目安

保険適用 です。3割負担の方の場合:

メリットとデメリット

メリット自宅で完結 / 副作用少ない / 保険適用 / 種類が豊富で選択肢が広い
デメリット頻回点眼が必要 / 続けないと改善しない / 根本治療ではないことが多い

よくある質問

Q. 市販の目薬と処方の目薬、何が違いますか?

A. 処方薬の方が成分の濃度が高く、種類も豊富 です。市販品は多くが人工涙液系で、ヒアレインやジクアスのような医薬品成分は処方が必要です。慢性的に困っているなら、市販品で頑張るより眼科で処方を受ける方が結果的に楽になります。

Q. ヒアレインとジクアス、どちらが効きますか?

A. タイプ次第 です。涙液量を補うのが主目的なら ヒアレイン、涙液分泌そのものを増やしたいなら ジクアス(またはジクアスLX)が向きます。多くの方は 両方を組み合わせて使う ことで効果が出やすくなります。

**Q. ムコスタ点眼を差すと白く濁ります。失敗?

A. 正常です。レバミピドの性質で、視界が一時的にぼやけるのは効いている証拠とも言えます。気になる場合は就寝前など、視界が必要ない時間帯に使うのがおすすめです。

Q. 一日何回まで差して大丈夫?

A. 薬による ものの、ヒアレインや人工涙液なら 1日5〜10回でも問題ない ことが多いです。防腐剤フリータイプなら頻回点眼でも安全。ジクアスは1日6回(LXは3回)、ムコスタは1日4回が標準です。担当医に確認してください。

Q. コンタクト装用中に差せますか?

A. 基本的にはレンズを外してから差します。防腐剤がレンズに吸着して角膜に影響することがあるためです。ただし、防腐剤フリータイプ(ヒアレインミニ、ソフトサンティア等)は装用中も使えます。

Q. 妊娠中・授乳中でも使えますか?

A. ヒアレイン・人工涙液は基本的に安全 とされています。ジクアス・ムコスタ等の作用を持つ薬は、念のため担当医に相談してください。


ドライアイ点眼薬は、「合う薬」が見つかると劇的に楽になる お薬です。一つの薬で完結することは少なく、複数の組み合わせで効果が出ることが多いので、担当医と相談しながら、自分に合った組み合わせを見つけていきましょう。

ドライアイの病気そのものについては ドライアイの解説ページ もあわせてご覧ください。