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眼圧検査|空気が当たる検査の意味と正常値を眼科専門医が解説

監修: 眼科ひろば編集部(眼科専門医監修)
公開: 更新: 最終監修:
目次
  1. 眼圧検査とは
  2. 正常値と判断の目安
  3. 検査の流れ
  4. 痛みや不快感
  5. 結果の見方
  6. 検査の頻度
  7. 費用の目安
  8. メリットとデメリット
  9. よくある質問

「健診で『眼圧が高い』と言われた」「空気を当てる検査でビクッとしてしまう」――眼圧検査は健診や眼科でほぼ必ず行われる、基本的な検査の一つです。

このページでは、患者さんからよくいただく「眼圧が高いとどうなる?」「正常値は?」「痛い?」といったご質問にお答えする形で、眼圧検査について整理してご説明します。

緑内障そのものについては 緑内障の解説ページ をご覧ください。

眼圧検査とは

眼圧」とは、目の中の圧力 のことです。目の中には 房水(ぼうすい) という液体が常に循環しており、産生量と排出量のバランスで眼圧が保たれます。蛇口(産生)と排水溝(流出)のバランスが崩れて、眼圧が高くなると、視神経が傷んで 緑内障 の原因になります。

眼圧検査は、この圧力を測定する検査です。緑内障の早期発見と進行管理 に欠かせない基本検査として、健診や眼科診療で広く行われています。

種類

眼圧の測り方には、いくつかの方式があります。

種類方法特徴
非接触型眼圧計(NCT)空気を眼に吹き付け、角膜のへこみで測定健診でよく使う、目に触れず素早い
ゴールドマン圧平眼圧計(GAT)点眼麻酔下で角膜に小さな器具を当てる最も精度が高い、緑内障診療の標準
アイケア・トノメーター(リバウンド式)軽い針を一瞬当てて跳ね返る速度で測定麻酔不要、お子さん・寝たきりの方にも
アイケアHOME家庭で自分で測れる携帯式緑内障の日内変動評価に
トノペン携帯式の接触式病室・寝たきり対応
眼球圧迫法(指で押す)医師の指の感覚で大まかに判定簡易的、急性発作の現場で

健診で多いのは 非接触型(空気を当てるタイプ)、眼科で精密に測るのは ゴールドマン(GAT) が一般的です。

各方式の特徴

非接触型(NCT)

ゴールドマン圧平(GAT)

アイケア(リバウンド式)

正常値と判断の目安

眼圧の正常範囲は 10〜21 mmHg とされています(日本人の平均は約14 mmHg)。

眼圧値判断の目安
10〜20 mmHg正常範囲
21 mmHg 以上高眼圧、要精査
21〜25 mmHg高眼圧症 or 軽度緑内障の可能性
30 mmHg 以上早めの治療検討
40 mmHg 以上急性緑内障発作の可能性、緊急

ただし重要なのは、「眼圧が正常範囲内でも緑内障になる」 ということです。日本人の緑内障の 約7割正常眼圧緑内障(NTG) ― 眼圧が正常範囲内なのに視神経が傷む病気 ― で、眼圧検査だけでは見落とされます。

そのため、緑内障の診断・管理には 眼圧 + 眼底検査 + OCT + 視野検査 を組み合わせて、総合的に判断します。

眼圧に影響する要素

要素影響
時間帯朝が高く、夜にかけて下がる方が多い(個人差あり)
季節冬は高い傾向
姿勢仰向け、頭を下げると上がる
運動・飲水一時的に変動する
角膜厚角膜が厚いと実際より高めに、薄いと低めに表示される
緊張・血圧一時的に上がる
眼の手術歴LASIK後は実際より低く出る

1回の測定だけで判断せず、複数回測定して傾向を見る のが基本です。

検査の流れ

非接触型(NCT)の場合

  1. 検査機の前に座る、顎台に顎をのせる
  2. 額をベルトに当てて頭を固定
  3. 片眼ずつ「目を開けて」と指示
  4. 「ピッ」という音とともに空気が一瞬当たる(0.1秒以下)
  5. 数回測定して終了
  6. 片眼1分以内、両眼で1〜2分

ゴールドマン圧平(GAT)の場合

  1. 点眼麻酔とフルオレセイン染色液を点眼
  2. 細隙灯顕微鏡の前に座る
  3. 眼に小さな器具(プリズム)を軽く当てる
  4. 医師がノブを回しながら測定値を読み取る
  5. 片眼15〜30秒、両眼で1〜2分

痛みや不快感

検査痛み・感覚
非接触型(NCT)痛みなし、空気が当たるので「ビクッ」とする方が多い
ゴールドマン(GAT)点眼麻酔で痛みなし、軽く触れる感覚
アイケア痛みなし、軽く突かれる感覚

ビクッとして瞬きしてしまうから何度もやり直しになる」という方も多いですが、慣れの問題で、何度か受けているうちに気にならなくなる方がほとんどです。

結果の見方

健診や眼科で「眼圧○○mmHg」という結果が出ます。

健診で「要精査」になったら

緑内障の方の経過観察

検査の頻度

状況推奨頻度
健常な40歳以上数年に1回(健診時)
高眼圧症の方6〜12か月ごと
緑内障の方(安定期)1〜3か月ごと
緑内障の方(進行管理中)1か月ごと、または治療直後はより頻繁

費用の目安

保険適用 です。3割負担の方の場合:

メリットとデメリット

メリット痛みなし(NCT) / 短時間 / 保険適用 / 緑内障スクリーニングに不可欠
デメリットNCT は精度がやや低い / 正常眼圧緑内障の見落としリスク / 1回の値だけでは判断できない

よくある質問

Q. 眼圧検査は痛いですか?

A. 痛みは全くありません。空気を当てるタイプは「ビクッ」とする感覚はありますが、痛みではありません。ゴールドマン型は点眼麻酔の後に器具を当てるので、麻酔下で違和感のみです。

Q. 健診で「眼圧が高い」と言われましたが、本当に緑内障?

A. 眼圧が高い=緑内障 ではありません。緑内障の確定診断には、眼底検査・OCT・視野検査 を組み合わせます。「高眼圧症」という、眼圧は高いけれど緑内障ではない状態のこともあります。まずは眼科で精密検査を受けてください。

Q. 眼圧が正常範囲内なら安心ですか?

A. 必ずしも安心ではありません。日本人の緑内障の 約7割は正常眼圧緑内障(NTG) で、眼圧検査だけでは見落とされます。40歳を過ぎたら、眼底検査・OCT を含む詳しい眼科検診を一度は受けることをおすすめします。

Q. なぜ何度も測るのですか?

A. 眼圧は1日の中で変動 するからです。朝と夕方で 3〜5 mmHg 差が出る方もいます。複数回測って傾向を見る、または1日の中で時間を変えて測る(日内変動測定)ことで、本当の眼圧を把握します。

Q. 角膜が薄いと眼圧の値が変わると聞きました。本当?

A. 本当です。角膜が薄い方は、実際より低く表示されます。LASIK 後の方も同様です。角膜厚を測って補正値を計算することもあります。

Q. 緑内障の点眼を始めると、眼圧はどのくらい下がりますか?

A. 薬の種類と個人差 によりますが、20〜30% 下がることが一般的な目標です。例えば 18 mmHg なら 13〜14 mmHg、25 mmHg なら 18〜19 mmHg が目指す値になります。

Q. 家庭で眼圧を測れますか?

A. アイケアHOMEという家庭用機器があります。点眼麻酔不要で、自分で測定可能。高価ですが、緑内障の日内変動の評価に有用で、専門的な管理が必要な患者さんで使われることがあります。


眼圧検査は、緑内障の発見と管理の基本 となる検査です。痛みなく短時間で受けられ、健診の項目にも含まれている身近な検査でもあります。

「眼圧が正常だから大丈夫」とは言い切れない点に注意し、特に 40歳以上の方は OCT や視野検査を含む詳しい検査を一度受けて いただくことをおすすめします。

詳しくは 緑内障の解説ページ視野検査OCT検査眼底検査 もあわせてご覧ください。