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視力検査|裸眼視力と矯正視力の違い、正常値、検査の流れを眼科専門医が解説

監修: 眼科ひろば編集部(眼科専門医監修)
公開: 更新: 最終監修:
目次
  1. 視力検査とは
  2. どんな疾患の診断・管理に使われるか
  3. 検査の流れ
  4. 痛みや不快感
  5. 結果の見方
  6. 視力低下の原因と対応
  7. 検査の頻度
  8. 費用の目安
  9. メリットとデメリット
  10. よくある質問

「視力検査って、健診で受けるあのCマーク?」「視力 1.0 って何を意味するの?」――視力検査は、眼科でほぼ必ず行われる、もっとも基本的な検査です。

シンプルな検査ですが、裸眼視力と矯正視力の違い、運転免許の基準、視力が出ない原因の見極め など、知っておくと役立つポイントがいくつもあります。

このページでは、患者さんからよくいただく「何を測っているの?」「正常値は?」「メガネを変えても1.0出ない、なぜ?」といったご質問にお答えする形で、視力検査について整理してご説明します。

視力検査とは

視力」とは、どれだけ小さな目印を区別できるかの能力 を数値化したものです。日本ではほとんどの場合、ランドルト環(Landolt C) ― 切れ目のある「Cマーク」 ― を使って測定します。

5メートルの距離からランドルト環を見て、切れ目の方向(上下左右)が分かるかどうかで判定します。小さなランドルト環の切れ目が分かれば視力が高い、ということです。

視力の単位

日本では 小数(decimal)表記 が標準です。

表記同等意味
1.020/20(米国Snellen)正常
0.520/40軽度低下
0.120/200強度近視レベル
指数弁数値化不能指の数を識別できる程度
手動弁手の動きが分かる程度
光覚弁光が見える程度
光覚なし完全失明

国際的には LogMAR(対数表記) が研究や手術評価で使われます(LogMAR 0.0 = 視力 1.0)。

種類

種類何を測るか
裸眼視力(らがん)メガネ・コンタクトなしで見える視力
矯正視力(きょうせい)メガネ・コンタクトで矯正した時の最良視力
遠見視力5メートル先のもの(基本)
近見視力30センチ程度の手元(老眼の評価)

「視力検査」と言えば多くは 遠見視力(5m) ですが、状況に応じて近見視力も測ります。

どんな疾患の診断・管理に使われるか

視力検査は すべての眼疾患の基本評価 であり、ほぼ全ての眼科診療で行われます。

疾患視力検査で何を見るか
白内障進行に応じて視力低下
加齢黄斑変性中心視力の低下
緑内障(末期)中心視力にも影響
糖尿病黄斑浮腫黄斑への影響を視力で評価
網膜剥離範囲・黄斑への影響
角膜疾患角膜の状態が視力に直結
屈折異常(近視・遠視・乱視)矯正でどこまで上がるか
弱視(小児)小児眼科で重要
視神経疾患視神経炎などの評価
白内障手術前後治療効果の判定

裸眼視力は屈折異常を見るのに役立ち、矯正視力は目の病気の有無を見るのに役立つ」と覚えておくと整理しやすいです。

検査の流れ

1. 準備

2. 検査開始

  1. 検査距離(通常 5メートル)に立つ、または検査機の前に座る
  2. 片眼ずつ測定(検査しない方を遮蔽板で隠す)
  3. 大きなランドルト環から順に表示
  4. 切れ目の方向を口頭で答える(上、右、左、下、斜め)
  5. 見えなくなる段階で 1つ下のレベルへ

3. 矯正視力の場合

4. 検査後

痛みや不快感

項目状態
痛み全くなし(ランドルト環を見るだけ)
不快感レンズを交換するための眼鏡枠の重さ程度
検査後の影響なし(運転・仕事即可)

眼科検査の中で最も負担の少ない検査」と言えます。

結果の見方

正常値の目安

視力状態
1.0以上正常
0.7以上普通自動車免許の基準を満たす
0.5〜0.7軽度視力低下、生活には支障ないことが多い
0.3〜0.5中等度視力低下、日常生活に少しずつ影響
0.1以下高度視力低下、生活への支障あり

運転免許の基準(参考)

免許必要な視力(両眼)
普通自動車両眼で 0.7 以上、かつ片眼で 0.3 以上
大型・第二種両眼で 0.8 以上、片眼で 0.5 以上、深視力
バイク・原付普通自動車と同じ

メガネ・コンタクトでの矯正視力で判定するので、矯正視力が基準を超えていれば運転は可能 です。

裸眼視力と矯正視力の関係

メガネを変えても見えない」場合は、目の中の病気を疑う 必要があります。眼鏡店で何度作り直しても合わない場合は、ぜひ眼科で精密検査を受けてください。

視力低下の原因と対応

状況考えられる原因対応
急に視力が落ちた網膜剥離、緑内障発作、視神経疾患、脳血管疾患当日中に眼科受診
徐々に落ちてきた白内障、緑内障進行、AMD、糖尿病網膜症眼科で精密検査
メガネを変えても上がらない白内障、AMD、角膜疾患眼科で精密検査
子どもの視力が出ない弱視、屈折異常、斜視小児眼科
矯正で 1.5 以上出る健康な目経過観察

検査の頻度

状況推奨頻度
健常者の健診年1回(健診時)
屈折異常で矯正中1〜数年ごと(メガネ更新時)
白内障の経過観察6か月〜1年ごと
緑内障の管理3〜6か月ごと(眼底検査等と一緒に)
AMD で治療中1〜数か月ごと
白内障手術後術後1日、1週間、1か月、3か月など

費用の目安

保険適用 です。3割負担の方の場合:

メリットとデメリット

メリット痛みなし / 短時間 / 保険適用で安価 / 多くの疾患のスクリーニングに有用
デメリット単独では病気の特定はできない / 集中力で値がやや変動 / 子どもや高齢者で測りにくいことも

よくある質問

Q. 視力1.0って、どのくらい見える状態?

A. 5メートル先のランドルト環(Cマーク)の切れ目を、1.5ミリの大きさで識別できる視力 です。これが「正常視力」とされています。1.5、2.0と高い値も可能ですが、生活上は1.0で十分です。

Q. メガネを変えても 1.0 が出ません。なぜ?

A. 目の中に視力低下の原因がある可能性があります。代表的なものは:

メガネ屋さんで「これ以上は上がらない」と言われた場合は、必ず眼科で精密検査を受けてください。

Q. 子どもの視力検査、何歳から受けられますか?

A. 3歳児健診から本格的に始まります。3歳前後で「絵カード視標」を使って測定し、4〜5歳頃にはランドルト環でも測れるようになります。早期発見・早期治療が 弱視 の予防に重要です。

Q. 視力検査の前にスマホを見すぎると、結果が悪くなりますか?

A. 一時的に近距離調節が残って、遠くがぼやけることがあります(調節けいれん)。検査前は少し休んで、リラックスして臨むのがおすすめです。

Q. 高齢で集中力が続きません。視力検査で配慮はある?

A. 何度でも測り直しが可能ですし、休憩を挟みながら進められます。「正確に測れない」と感じたら、その旨を医師や看護師に伝えてください。何度か繰り返して 最も安定した値 を採用します。

Q. 視力検査の結果で、運転免許を失う心配は?

A. 矯正視力で運転免許の基準を満たせば問題ありません。普通自動車なら 両眼 0.7 以上、片眼 0.3 以上(メガネ・コンタクト矯正で OK)。メガネをかけて運転すれば多くの方は基準内に収まります。

Q. 白内障の手術後、視力はどのくらい出ますか?

A. 個人差はありますが、多くの方は 1.0 程度まで回復します。元々の網膜・視神経の状態が良ければ、それ以上出ることも珍しくありません。手術前の精密検査で「術後の予測視力」をある程度推測することもできます。


視力検査は、眼科診療のすべての基本 となる検査です。シンプルな検査ですが、「裸眼視力と矯正視力の差」「矯正で 1.0 が出るかどうか」を見ることで、屈折異常か病気かの大まかな判断ができます。

「最近見えにくくなった」と感じたら、まず眼科で視力検査を受けて、原因を確認してみてください。早く分かれば、適切な対処で生活の質を保てます。

関連:白内障緑内障加齢黄斑変性老眼OCT検査 もあわせてご覧ください。