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視野検査|何がわかる?痛みは?所要時間は?を眼科専門医が解説

監修: 眼科ひろば編集部(眼科専門医監修)
公開: 更新: 最終監修:
目次
  1. 視野検査とは
  2. 種類
  3. どんな疾患の診断・管理に使われるか
  4. 検査の流れ
  5. 痛みや不快感
  6. 結果の見方
  7. 進行管理のための受診頻度
  8. 検査をスムーズに受けるコツ
  9. 費用の目安
  10. メリットとデメリット
  11. よくある質問

「緑内障で視野検査を受けるよう言われた」「視野検査って疲れる検査と聞いたけど…」――視野検査は 緑内障の進行管理に欠かせない検査 で、定期的に受け続けることが視力を守る鍵になります。

このページでは、患者さんからよくいただく「痛い?」「どのくらい時間がかかる?」「結果はどう見るの?」といったご質問にお答えする形で、視野検査について整理してご説明します。

視野検査とは

視野」とは、目を一点に固定した状態で、まわりがどこまで見えているかの範囲を指します。健常な方の片眼の視野は、上に約60度、下に約75度、内側に約60度、外側に約100度ほど広がっています。

視野検査は、この範囲のどこに「見えない部分」があるかを精密に測定する検査です。痛みは全くなく、機械の中の光が見えたらボタンを押すだけ のシンプルな検査ですが、集中力が必要なため少し疲れます。

種類

視野検査にはいくつかの方法があります。

種類特徴主な対象
ハンフリー視野計(静的視野検査)コンピュータが自動でランダムに光を出す。最も標準的緑内障、視神経疾患
ゴールドマン視野計(動的視野検査)検査者が手動で光を動かす、視野の周辺部の評価に強い全視野の評価、神経疾患
FDT(Frequency Doubling Technology)スクリーニング短時間(片眼3〜5分)で緑内障の有無をスクリーニング健診、簡易検査
OCTOPUS視野計ハンフリーと同様の自動視野計緑内障
マイクロペリメトリーOCT画像と統合、黄斑部の精密評価AMD、黄斑疾患

最も多く使われるのは ハンフリー視野計 で、「視野検査」と言われたらほぼこの検査と考えてOKです。

ハンフリー視野計のプログラム

ハンフリー視野計には、検査範囲や精度が異なる複数のプログラムがあります。

プログラム内容所要時間
30-2 SITA Standard中心30度の精密検査、標準的片眼約5〜7分
24-2 SITA Standard中心24度、より短時間片眼約4〜6分
10-2 SITA Standard中心10度を細かく、進行例向き片眼約5〜6分
SITA Faster高速版、精度はそのまま片眼約3〜4分

担当医は、患者さんの状態に応じて適切なプログラムを選択します。初診と進行管理では使うプログラムが違う ことも多いです。

どんな疾患の診断・管理に使われるか

視野検査は、以下のような疾患で重要な役割を果たします。

疾患視野検査の目的
緑内障視野欠損の有無・位置・進行のモニタリング(最重要)
加齢黄斑変性中心暗点の評価
糖尿病網膜症進行例での視野評価
網膜剥離剥離範囲の確認
視神経炎・視神経症視神経障害のパターン分析
脳腫瘍・脳卒中視放線・後頭葉障害による視野異常(両眼性)
網膜色素変性症周辺視野の進行評価

特に 緑内障の管理では、視野検査は治療効果と進行を判定する基準 になります。緑内障と診断されたら、通常 半年〜1年ごとに繰り返し受ける ことになります。

検査の流れ

1. 準備

検査前の食事制限はありません。瞳孔を広げる薬は使わないので、検査後にすぐ運転して帰れます。

2. 検査開始

  1. 検査機の前に座る(顎台に顎を、額をベルトに当てる)
  2. 片眼に眼帯(検査しない方を遮蔽)
  3. 遠視・近視のレンズを装着(検査距離に合わせた矯正)
  4. 中央の固視灯(中央の点)を見続ける
  5. 光が見えたらボタンを押す

3. 検査中

4. 検査後

当日中に通常の生活・運転は可能 です。

痛みや不快感

項目状態
痛み全くなし(光が見えるだけ、針も注射も無し)
不快感機械の中の小さなドームを見続けるため、姿勢の維持にやや疲れる
目の疲れ集中して光を探すので、終わった頃には目と頭が少し疲れる
その他顔を機械に押し付けて固定するため、メガネは外す

「痛くない」のは確かですが、「集中する10〜30分」 という意味では、年齢にかかわらずやや疲れる検査ではあります。

結果の見方

ハンフリー視野計の結果には、いくつかの重要な要素があります。

1. グレースケール表示

視野全体を白黒の濃淡で表示。濃い黒の部分が見えていない領域 を示します。一目で視野欠損の場所が分かるため、患者さんへの説明にもよく使われます。

2. 偏差マップ(Total Deviation / Pattern Deviation)

健常な同年代の平均と比較して、どこがどれだけ感度低下しているかを示します。

3. 重要な指標

指標意味
MD(Mean Deviation)視野全体の平均的な感度低下、進行の総合指標。0 dB に近いほど正常
PSD(Pattern Standard Deviation)局所的な感度低下のばらつき。緑内障で典型的
VFI(Visual Field Index)視野の良好度を百分率で表示。100%に近いほど良好
GHT(Glaucoma Hemifield Test)上下視野の比較、緑内障判定の補助

4. 信頼性指標

項目何を見るか
固視不良率中央の点をどれだけ見続けたか
偽陽性率光がない時にボタンを押した頻度
偽陰性率大きな光を見落とした頻度

これらが基準を超えると、「今回の検査の信頼性が低い」と判断され、再検査が必要になることもあります。

進行管理のための受診頻度

状況推奨される検査頻度
緑内障の初期診断時数か月以内に複数回(基準値の把握)
緑内障の安定期半年〜1年ごと
緑内障で進行が懸念される時期3〜6か月ごと
健常者の健診数年に1回(リスクがあれば年1回)

安定しているからこそ、検査を続けて確認する」のが緑内障管理の基本です。

検査をスムーズに受けるコツ

初めての視野検査は、コツを掴んでいないだけで、本当の視野はもっと良いことが多い」とされ、緑内障の診断は初回検査だけでは判定せず、複数回繰り返して判断します。

費用の目安

保険適用 です。3割負担の方の場合:

メリットとデメリット

メリット痛みなし / 保険適用 / 緑内障進行管理に不可欠 / 客観的データが得られる
デメリット集中力が必要で疲れる / 初回は結果がやや悪く出やすい / 信頼性指標が悪いと再検査

よくある質問

Q. 視野検査は痛いですか?

A. 全く痛くありません。光が見えたらボタンを押すだけの検査です。針も使わず、目に触れることもありません。「集中するので疲れる」「姿勢が辛い」という方はいらっしゃいますが、痛みはゼロです。

Q. なぜこんなに頻繁に視野検査を受ける必要があるのですか?

A. 緑内障の進行は、視野検査でしか客観的に評価できない からです。眼圧が安定していても、視野欠損が進行することがあり、その早期発見が視力を守る鍵になります。「症状がないからこそ、定期検査が必要」とご理解ください。

Q. 検査結果が前回より悪く出ました。緑内障が進んでいる?

A. 1回の検査だけで判断はしません。視野検査は、その日の体調・集中力・疲労度に大きく影響されるため、2〜3回の結果を総合して進行を評価 します。1回悪く出ただけで治療を強化することはまれです。

Q. 検査中に迷ったらどうすればよい?

A. 「迷ったら見えていない」と判断してボタンを押さない のが原則です。見えたかどうか曖昧な場合に押してしまうと、「偽陽性」となり検査の信頼性が下がります。

Q. 視野検査を受けるのに、何かやってはいけないことは?

A. 特にありません。前日のお酒、コーヒー、食事は普通通りで構いません。ただし、疲れていると集中力が下がる ので、十分な睡眠を取って臨むのがおすすめです。

Q. メガネ・コンタクトはつけたまま検査しますか?

A. コンタクトはそのまま、メガネは外して機械内の専用レンズを使う のが一般的です。お持ちのメガネの度数を記録するため、念のため持参してください。

Q. 検査後すぐに運転して帰れますか?

A. 問題ありません。瞳孔を広げる薬を使わないので、まぶしくなることもありません。仕事復帰も同日OK です。


視野検査は、緑内障の進行を見守るための「目の健康診断」 のような位置づけです。痛みはなく、定期的に受け続けることで、視野欠損の進行を確実に捉えられます。

緑内障と診断されている方は、面倒に感じることもあるかもしれませんが、「症状がない時こそ大切な検査」 とご理解いただき、担当医の指示する頻度で受け続けてください。

緑内障そのものについては 緑内障の解説ページ、検査を受けるべきタイミングについては 視野が欠ける症状 もあわせてご覧ください。